アレクサンダー・テクニークでは、身体の各部位はお互いに影響し合っているけどお互いに邪魔をしないことを目指します。そのためには身体の各部位同士が適切な距離をとることが必要になります。結局のところ、いわゆるアイソレーションといわれるものを、身体のあらゆる部分でやっているように思います。
声を出すときにも、同じ考え方が役に立つと思いました。筋骨格系のはずなのに、声を出すときに起こっていることは、眼に見えないし、感じ取ることも難しい。そこで、自分でできそうだと思ったところから取り組むことにしました。私がついやってしまう無意識の習慣の影響が大きく(それは唇、顎、他、あらゆるところにあるのですが)、いろいろと試せることができそうだと思ったのが、声帯の振動でした。
声が響かなかったり何かうまくいかないことがあると、喉に力がはいってしまう。フースラーの先生との記憶だと、そもそも、声を出そうとしたとたんに喉に力が入ってしまう。だけど、その私が問題だと考えていることは、喉に力を入れて、声帯を締めて解決することではないはず。他のところに問題があるのに、喉に力を入れて声帯に何かを強いることで、また別の問題を引き起こしているのです。
そこで、声を出す時に声の響きや質を決める、音の高さ・母音などの口の形・声のニュアンス(他にもあるかもしれないけど、今の私にはこれでせいいっぱい)などは、声帯の振動そのものとは別の手順(音の高さは声帯の長さを変えることで実現しますが、声帯が振動することとは別の手順)と考えました。声帯の振動は、ただ振動するだけです。音のあかちゃん(どの先生の言葉だったか忘れました。ヴォイスワークの先生だったかな)。その音のあかちゃんがどのような声になるのかは、声帯ではなく(音楽のジャンルだったり、パフォーマーによっては何かする人がいるかもしれませんが、一番ベーシックなことをやろうとしているので、とりあえずは、声帯ではそれ以上のことはしない)、そこから先の空間がつくる結果だということです。
そこで私がやってみていることは、音の高さ・母音・声のニュアンスなど、イメージしたものを先に作っておきます。、現在、私がやってみていることは、あらかじめ声のイメージを作らないで、そっと声帯を鳴らしてみます。それも必要最小限の力をねらいます。声帯と相談しながらです。そのとき声が思うように鳴らなかった場合、原因は声帯ではない(病的なものを抱えていないほとんどの人は、喉に力を入れることで解決しない。機能的に鳴らない音の高さだったということはあるかもしれません。それも、喉に力を入れることで解決しない。)ということです。喉に力を入れるとか、頭を振るとか、声を出す(声帯が振動する)その瞬間にやってしまう他の不必要なことをやらないようにします(抑制/inhibition)。声のニュアンスのために喉の後ろを広げてみたり、軟口蓋を上げてみたり、試してみたのですが、声が出なかったときというのは、そのバランス(筋肉運動的な張力と拮抗)が悪かったのだということに今のところはなっています。というのは、上に向かうところ、後ろへ向かうところ、前へ向かうところ、下へ向かうところ、(本当は左右にもあって、360度なんでしょうが)それらが、声帯の張りを安定させている(テンセグリティ)ということです。テキメンだったのは、舌を前に出すこと。舌を前に出すと、声帯の振動は一段とクリアにシンプルにこんなにも簡単に振動するんだと思いました。ということは、私の舌は声帯の振動の邪魔をしているのです。
声を機能的に発するために、声帯まわりの使い方を見直しているところです。声帯のアイソレーション真っ最中です。
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