これも、トレーニーのときに、こんなものがある、と先輩が教えてくれたものです。
ニコラス・ティンバーゲンは、1973年にノーベル医学生理学賞を受賞した際の受賞記念講演にて、彼があげた2つの例のうちの一つとして、アレクサンダー・テクニークのことを話しています。後半がそうです。以下のリンクには、ニコラス・ティンバーゲンがレクチャーしている動画(アレクサンダー・テクニークのことを話し始めるのは32:41から)と、その言葉(原稿か、文字に起こしたものか、どっちか。ほとんど同じだけど、全く同じではない。)がPDF(アレクサンダー・テクニークの記述があるのはp10-p16)として置いてあります。
そして、驚くべきことに、彼は自身の声をコントロールする力を取り戻したのです。医学の専門教育を受けていない一人の男性が示した洞察力、知性、そして粘り強さを物語るこのエピソードは、医学研究と医療実践の歴史における真に壮大な物語の一つと言えるでしょう。
And, the remarkable outcome was that he regained control of his voice. This story, of perceptiveness, of intelligence, and of persistence, shown by a man without medical training, is one of the true epics of medical research and practice.
ニコラス・ティンバーゲン1973年のノーベル賞受賞の際の演説より
by Google翻訳
この中で、ニコラス・ティンバーゲンは最初は懐疑的だったことを述べています。
正直なところ、それがどのような仕組みで効果を発揮すると考えられているかについての彼の生理学的な説明(それに、彼の著書に見られる一種の英雄崇拝的な傾向もあって)には、当初、私は少なからず疑念を抱き、懐疑的でさえありました。
I must admit that his physiological explanations of how the treatment could be supposed to work (and also a touch of hero worship in his book)made me initially a little doubtful, and even sceptical.
ニコラス・ティンバーゲン1973年のノーベル賞受賞の際の演説より
by Google翻訳
その後、家族3人がそれぞれ別のアレクサンダー教師(F.M.アレクサンダーではない)からレッスンをうけた結果、3人が共通の効果を認めています。
また、晩年に名誉毀損裁判が南アフリカでありました。その記録は本になっているようです。(多分、私には読めない)ここでも、テクニークが認められる一方で、誤解を招きやすいと言われています。
彼はこの裁判で大きな損失をこうむりましたが、判決の説明は公正なものでした。簡単にいえば、彼の方法は健全なものだけれども、その提示のし方が誤解を招きやすいということだったのです。
姿勢が変わる・からだが変わる・生き方が変わる アレクサンダー・テクニーク
第1部アレクサンダー原理の理論 第1賞アレクサンダーの原理 p6
F.M.アレクサンダーの直弟子であるルーリー・ウェストフェルトが本を残しています。直弟子の中にはF.M.アレクサンダーを無条件に崇拝していた人たちと、批判的な人たちがいて、グループを作っていたようです。
彼の不適当な説明がいかに彼のしごとを妨げていたか、私にはすでにわかっていた。そして今度はとくに建設的にみえるチャンスが、長年の生徒であり支持者であったひとたちから与えられようとしているのに、それをつぶそうとしていたのだ。⋯(略)⋯しかし、理由はどうであれ、彼には、あたえられる機会を、無座別に一律にだめにする傾向があった。
アレクサンダーと私[アレクサンダー・テクニーク]への道
1 アレクサンダーと私 6 アレクサンダーと絶好の機会 p106
これだけ認められているのに、アレクサンダー・テクニークはあまり広まっていません。このことについて、私は全てを知っているわけではありませんが、テクニークそのものに原因があるわけではなく、F.M.アレクサンダーの言動が影響しているようです。
私の説明は誤解を受けることなく、本質を伝えることができるのでしょうか。ブログに書いていることは、できるだけ誤解を受けない書き方をしているつもりです。しかし、ニコラス・ティンバーゲンが称賛したことと同じことが今の私にどのくらいできるのでしょうか。そこは、毎日、毎年、私自身が成長し続けるしかないのです。