なぜ、F.M.アレクサンダーは自分で喉のトラブルの原因を見つけようとしたのでしょうか。
F.M.アレクサンダーは舞台俳優だったので、声を出すことを仕事にしていました。その商売道具ともいえる喉に異常な痛みを生じるようになり、声が舞台で出なくなることがあったのです。
そんなことがあったら、今の時代でも誰でもお医者さんにかかりに行きます。私も行きます。F.M.アレクサンダーは同じように医療関係者に助けを求めました。お医者さんからはうがいをしたり喉を休めるようにアドバイスをうけたようです。
F.M.アレクサンダーは言われたとおりにうがいをして喉を休めました。そうしたら、効果があったようで喉の痛みもひいて声が出るようになりました。しかしそれではと舞台に立つと、再び喉が痛み声が出なくなるのです。
日常生活では問題は起こらないのに舞台で声を出すと同じような問題が起こるという事実から、F.M.アレクサンダーは舞台の上で自分がやっている何かが原因であろうと考えます。
その原因が何かと医療関係者に問いかけたのですが、それが何なのかは医療関係者にもわからなかったのです。100年前の医療ですから、今とは違うかもしれませんが、F.M.アレクサンダーは自分でやっている何が喉を悪くさせるのかを自分で見つけようと決意しました。100年前にはそんなことを考える人は誰も(多分、いたかもしれないけど)いなかったのです。当時の医療ではありますが、医療ではわからないことを自分の経験から導き出して解決方法を見つけました。
その後、アレクサンダー・テクニークは当時の医療関係者の間で支持されました。
医療は変わってきているかもしれませんが、無意識に人間が何か余計なことをやってしまうことは現代にも通じるところがあり、その解決方法は今の時代にも当てはめることができるのです。
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