歌の場面でもダンスの場面でも、おそらく他の場面でも言われたことがあるのが、「お尻の穴を締めるように」という指示です。様々な場面で様々な先生に言われたことがあるので、広く言われているものと思います。
お尻の穴を締めるように身体を使うと、うん、そういうふうに身体を使ってほしいんだな、というのはだいたいわかります。それは、今の私だからかもしれません。アレクサンダー・テクニークを学ぶ前の私は、ただお尻に力を入れて終わりだったかもしれません。そういう意味では、「ピアノを持ち上げながら声を出す」ことと同じことが起こっている可能性はあります。もうあと少しでわかるんだけど、というほんの一部の人にとっては「そういうことか」となるわけです。そういう場合、ほとんどの人には意味をもちません。
ヴォイスワークの先生の話では、「お尻の穴を締める」という指示は、最近は使わない傾向にあるそうです(私は全てが見渡せるわけではないので、どの国の人がそう言っているのかいないのか、どのコミュニティの人がそう言っているのかいないのか、まではわかりません。)。出口である「お尻の穴を」締めると、入口である「喉」も締まってしまうとのこと。なるほど、アレクサンダー・テクニーク的にこのことを考えてみると、お尻の穴を締めるには、そこに関わる筋肉を緊張させて固めることになります。身体全体が一つのネットワークとして連携して存在しているため、他の部位も影響を受けて、筋肉が緊張して固まる現象が起こるということなのかもしれません。
では、どういう言葉を使うのかというと、「左右の坐骨を近づけるように」という表現の仕方をするそうです。そう、左右の坐骨を近づけるのにも筋肉の緊張は必要です。おそらく、それは必要最小限の力で身体全体が拮抗を保つのに必要な大きさの力になるのだと思います。そこを間違わなければお尻の穴を締めるでもいいのですが、やりすぎてしまうことを避ける必要があります。
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