「心と身体にいいからアレクサンダー・テクニークをやってみませんか」と言うと、「国家資格が必要だね」と必ず言われます。国家資格がどういうものか正確にわかっているわけではないので、アレクサンダー・テクニークがどういったものかという点から書いてみます。
歌の先生が歌を・踊りの先生が踊りを・話しの先生が話し方を・歩きの先生が歩き方を教えるのと同じで、アレクサンダー教師は身体の使い方、更には自分の使い方を教えます。
歌・踊り・話し・歩きの先生が目や耳で生徒の問題を見つけ、言葉・声・身振りで解決方法を伝えるように、アレクサンダー教師は手と目と耳で生徒の問題を見つけ手や言葉や身振りで解決方法を伝えます。
アレクサンダー教師はその手段に手があるために、施術・治療・マッサージと勘違いされているだけです。健康になるということから医療関係と勘違いされているだけです。
アレクサンダー・テクニークが心と身体にいいというのは、身体の使い方・自分の使い方を改善した結果にすぎません。そういう意味では、歌や踊りが心と身体にいいというのは間違いではないのです。歌を・踊りを・話しを・歩きを間違いなく身につければその結果心と身体にいいことが起こるのです。冒頭に書いた「心と身体にいいからアレクサンダー・テクニークをやってみませんか」というのは、「心と身体にいいから歌をやってみませんか」と同じことです。
しかし、その裾野が広がれば広がるほど、歌・踊り・話し・歩きの先生が大勢いるほど、素晴らしい先生がいるかと思うとそうでもない先生もいたりします。そうでもない先生というのは、その教えが心と身体が良くなるほうへ結びつかない先生です。アレクサンダー教師も同じこと。気を引き締めていきたいところです。
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