言語療法士は口を開けたまま鼻呼吸ができる生理的な状態について、オーラルシールという用語も持っています。
鼻呼吸をもたらし、話したりなんだりする際に息を使うために閉じたり開けたりできる、ちゃんと機能するオーラルシールを持たないとけませんよ。
キャリントン先生のあふれる言葉
このオーラルシールが何をさすのか正確にわかっていないので、以下の記述に出てくるオーラルシールは私の解釈です。間違いがわかれば書き直します。
ここには、鼻呼吸をしながら、口を開け・顎を動かし・舌を動かし・おかしな顔をして顔面の筋肉を使い、何をしても影響を受けずに鼻から呼吸ができるといい、とあります。
声のレッスンをするときにハミングかnを発音しながら、口を開け・顎を動かし・舌を動かし・おかしな顔をして顔面の筋肉を使っても影響を受けずに発音できると、次に進むことができます。nの発音をしながら身体をaの母音に持っていくのです。まだaは発音しません。身体と書いたのは、実際には口だけの問題ではないからです。身体をaの母音に持っていっても影響されることなくnが発音されることを確認します。この次にnからaに持っていくのですが、この作業がオーラルシールを外すだけなのではないかと思っています。つまり、nからaに持っていくとき、他は何も変えないということです。口・顎・舌・顔・身体全体を変えることなくオーラルシールを外すだけです。
このときに必要になってくるアレクサンダー・テクニークの要素としてはnon-doing(《不必要なことは》何もしない)です。上で「何も変えない」という書き方をしたのは、nの発音のときにnon-doing(《不必要なことは》何もしない)でいることが前提です。もちろんアレクサンダー・テクニークの他の要素も必要ですが、一度に書くことはできないので少しずつ書いていきます。
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(外部サイト)
キャリントン先生のあふれる言葉(P57)
アレクサンダー・テクニークを学ぶ・教える皆さんへ
ウォルター・キャリントン
ジェリー・ソンタグ編
鈴木優子訳
安納献監修
不必要なことは何もしない(non-doing/ノンドゥーイング)に関する記事