F.M.アレクサンダーは、声を出す時に無意識に頭を後ろに引いて下に押し下げる間違った習慣に気づきました。その習慣をやめて抑制し、次に、頭が前へ上へ向かうように意識的に方向付けるすることで自分の使い方を良い使い方に持っていくことができました。間違った習慣は「頭を後ろに引いて下に押し下げる」ことをしていて、意識的に方向づけるのは「頭が前へ上へ向かう」ことでした。
ここでは偶然、間違った習慣の向かう方向と、自分の良い使い方として意識的に方向づけるのが向かう方向とが真逆なために、この2つが拮抗しているように見えるかもしれませんが、拮抗させません。拮抗しているということは、間違った習慣の向かう方向はそのままで、そこに新しく意識的に方向づけの方向を追加していることになります。間違った習慣と新しい意識的な方向づけが綱引きをしていて、戦っていることになります。意識してやっていることと無意識にやってしまっていることが一致していないパターンです。ブレーキとアクセルの同時踏みです。つまりこれそのものが自分の間違えた使い方ということになります。
間違った習慣と新しい自分の使い方は拮抗させません。
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