体重をかけたり寄りかからないようにしながら、壁に手をついたりテーブルに手を置いたりして、接点が増えると、身体が安定します。片足で立つとか苦手な動きもふらふらしないでできることが多いです。
これは、今の私には説明できないのですが、気のせいではなく、間違いなくサポートを受けて安定します。壁やテーブルに体重をかけないで手を置くのは、その先に壁やテーブルに置いた手を離すという手順が待っているからです。体重をかけて壁やテーブルに寄りかかっていてはいつまでたっても自分でできるようになりません。
以前にこれは、プールでビート板を使いながら泳ぐ練習をするときみたいだと書いたことがあります。
その後、しばらく気になっていたのは、バレエの練習でバーレッスンというものがあるということでした。写真で見たことしかないのですが、考え方は同じではないかと思うのです。バランスをとるのが難しい動きでも、よりかからないようにしてバーに手を置くことで、実際にバーからのサポートを受けることができます。サポートを受けながら、必要のない緊張(キュッと身体を固める反応のこと)を起こさないようにしながら、本来その動きに必要なところを使うことを身体に覚えてもらうのです。寄りかからないようにするのは、その後、バーから手を離すという手順があるからです。
もう一つあります。パントマイムのレッスンでのこと。初めてする動きの時、「慣れるまで、そこの柱に手をついて練習するといいわよ」と先生の声がかかりました。そのとき、私のそばには壁もテーブルもなく、あったのは柱でした。これもきっと、同じように柱のサポート受けながら身体の使い方を身に着けて、ゆくゆくは柱から手を離していきましょう、ということなのだと思います。
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