9月、Workshop 串打ちをしている自分の観察 を大岡山のメゾンドシャポーさんをお借りしてやります!
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舌や唇を身体と連携させる

アレクサンダーテクニークとは

ヴォイスワークを受けていたときのことです。「Bの発音はお腹(身体)が動いた後だよ」と言われました。

なるほど、言われてみればその通りです。手腕や足脚を動かそうとしたとき、身体(背中とかいろいろ)が連携してサポートするために働き始めます。そうして、手腕や足脚、身体(背中とかとか)がお互いに「必要最小限の力はどのくらいか?このくらいか?」とやりとりしながら、必要最小限の最適な力を見つけたときに、スッと手腕や足脚が動き出すのです。そこには反動はなく、その動きは等加速度運動に近い動きになります。「Bの発音」も同じだと言われているのです。

「Bの発音」ができないと身体が思っていると、「Bの発音」のための準備を始めます。その準備というのは何をしているのかとよく観察するとわかるのですが、唇をぎゅっと緊張させて硬めています(それは、私がそうだからなのですが、他の人もそうなっているのではないかと思います)。特に、タントリル(舌を震わせる)やリップロール(唇を震わせる)を始めたばかりの頃は、本当にできないので、なんとかしてやろうとして舌や唇を「準備」して緊張させ硬めます。そうしないとできないと身体が思っているのです。

必要なのは、「〜しなくてはならない」と「〜できない」という相矛盾する対を一つの「〜したい」に置き換えることだ。

F.M.アレクサンダーによる著書要約 アレクサンダーテクニーク 
部第6思考と身体の習慣からP9

この場合の「〜しなくてはならない」は、「Bを発音しなくてはならない」「タントリル(舌を震わせる)をしなくてはならない」「リップロール(唇を震わせる)をしなくてはならない」です。「〜できない」は、「Bが鳴り始めない」「タントリルができない」「リップロールができない」です。そうして、身体は唇を緊張させて強張らせ、舌を緊張させて強張らせます。そうしないとできないと身体が思い込んでいるからです。それは、「Bの発音」「タントリル」「リップロール」の動きを妨げる方向に働きます。

しかし、できないものは、できない。私もそこを通ってきたので、アレクサンダー・テクニークがおすすめする手段(ミーンズウエアバイ/means-whereby)で最初からできるようになるのかわかりません。しかし、いくらか「リップロール」や「タントリル」ができるようになった今、やってみると確かにできるのです。(それは、身体『背中などなど』がいくらか使えるようになって、舌や唇と連携させることができるようになったからです。そこができなかった原因かもしれません。)そうして、準備していたつもりの舌や唇の緊張は間違いなくやろうとしていることを妨げるのです。

身体と舌や唇(頭)を連携させると、お互いに「必要最小限の力はどのくらいか?このくらいか?」とやり取りを始めます。この時点で、身体(背中だったりお腹だったり)の働きが目に見えますが、舌や唇はまだ働き出しません。そうして、必要最小限で必要な力が加わったときに、スッと舌や唇が震え始めます。その瞬間は身体にしかわからないので、身体に任せます。そこには、反動や勢いはありません。このとき、「〜したい」にあたる、「Bを発音する」「タントリルをする」「リップロールをする」というシンプルな動作になります。

F.M.アレクサンダーが書いた本、「自分の使い方(The Use of The Self)」に吃音のページがあります。

彼の歩き方とすわり方、舌と唇の使い方が間違っており、頭が喉頭を過度に押し下げ、頭と首の筋肉を緊張させていた。アレクサンダーは彼に、吃音は体全体の間違った働き方の症状だと教え、自分の経験では、他の吃音症の人たちも舌と唇だけでなく、身体のさまざまな部位も「つっかえる」のだと指摘した。

F.M.アレクサンダーによる著書要約 アレクサンダーテクニーク 
部第吃音症からP82

症状の大きさは違えど、同じことを言っているようにみえます。「身体のさまざまな部位も『つっかえる』」というのは、舌と唇に起こっていることと同じことが、身体の他のところにも起こっているということです。


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masako

アレクサンダー・テクニークのレッスンを目黒区にて 楽しくわかりやすく、伝えていきます。 2023年9月 アレクサンダーテクニークスタジオ東京(ATST)の教師養成講座を卒業 2023年10月 STAT(英国アレクサンダー・テクニーク教師協会)認定教師の資格を取得 神奈川県立生田高等学校卒業 東京理科大学理学部応用数学科卒業 高校・大学・社会人と合唱を続け現在は楽器としての声を勉強中 1970年生まれ 1児の母

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