アレクサンダー・テクニークでは、心(思考)と身体はお互いに影響し合っていて、分けて考えることはできないと考えます。この考え方は、東洋の医学や禅などの基本的な理念にもあるらしいです。
西洋ではもともとないであろう考え方なためか、当時のヨーロッパ(F.M.アレクサンダーが活躍したのはロンドン)ではアレクサンダー・テクニークが受け入れられる一方で、強く反発する人も少なくありませんでした。現在の日本では仏教や禅がベースであったりしますが、西洋的な文化が馴染んでいるために、このアレクサンダー・テクニークの心(思考)と身体を分けない考え方に違和感を覚える人が多いと思います。私もアレクサンダー・テクニークにおけるその意味を理解するまでは別世界でした。
アレクサンダー・テクニークの本を読んでいると、時々合気道の写真が混じってきます。アレクサンダー・テクニークを実践している人の中には、合気道を習っているという人に度々出会います。合気道をやっている人と話をすると、「そうそう、同じ」ということになることもあります。それでも、最初に合気道の存在を知ったときには、近づいてはいけないような別世界に見えたものです。私が最初にアレクサンダー・テクニークを知ったときにも同じことを考えたことから、多分、アレクサンダー・テクニークと同じ空気を感じたのだと思います。
実際にF.M.アレクサンダーが考えたこと(頭で考えたことが「思考ー運動中枢」への刺激となること)を理解すると、ああ、そういうことなのね、とちゃんと納得できる理由があります。
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