関節を固めないようにと言うと、ほとんどの人が関節を動かしてみたりします。首の力を抜くために首を回したりします。けれども、アレクサンダー教師の手で触れてみるとわかるのですが、関節は固めていても動きます。首に力が入っていても回ります。もちろん、力が入っていることで痛みを感じるようなら動かせないのですが、その不要な緊張が日常的だと、筋肉とその周辺の組織を固めていることによる痛みは感じなくなるのです。「肩が凝ってますね」と言われても自覚がない人がいるのはそのためです。整体に行って「どこそこの筋肉の緊張がとれないままでいる」ことを告げられてもそんなこと今まで気が付かなかったりします。なので、可動域は狭くなりますが、関節や筋肉とその周辺の組織を不要な緊張で固めながら、痛みを感じないまま動かして力を抜いているつもりでいたりすることが起こるのです。
ブレーキをかけながらアクセルをふむ
このとき、関節や筋肉とその周辺の組織を不要な緊張で固めながら動かすのは、学校の先生曰く「ブレーキをかけながらアクセルをふんでいる」とのこと。そのまま日常生活を送ることができてしまうので、関節を構成する骨と骨が近づき、本来接触しないものが摩擦を起こして動きが鈍くなります。そのままでいると、摩擦で関節を痛めます(詳しくは専門家へ)。
アレクサンダー教師がアドバイスできることは、不要な緊張を除くこと。アレクサンダー教師の手はそれを感じ取ることができます。そして、不要な緊張で固めている関節に負荷をかけてさらに悪化させることはしません。そのために最低1600時間のトレーニングをして資格を持っているのです。
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