喜怒哀楽は全て上に向かう内在している力(up)を持っているのではないかと思います。
そうすると、喜が起こらない、怒が起こらない、哀が起こらない、楽が起こらないことは下に向かっている(down)だととらえることができそうです。もちろん、間違えた自分の使い方をすれば、喜怒哀楽も下に向かっている(down)になります。けれどもここでは、自分の使い方が良くて自分の中で起こるべきことが邪魔されることなく身体に起こり、反応する前に考えるために立ち止まることができる、というのが前提です。
実際に喜怒哀楽が起こらないと、頭蓋骨内には上に向かう内在している力(up)が起こりません。
声を出すときに「泣くように」という指示を聞くことがあるのは、泣くときに頭蓋骨内に必要な上に向かう内在している力(up)を生じる拮抗が起こるためではないか。笑うと心や身体にいいと言われるのも、やはり笑うときに頭蓋骨内に上に向かう内在している力(up)を生じる拮抗が起こるからだ。と思うわけです。怒るとどうなるのかはわかりにくいのですが、自分の使い方が良いままでいることができれば、怒りも悪くないのではないかと思います。自分の使い方が悪くなりやすく、そのoutputも選ばないまま反応してしまうことが多いために、怒りが良くないものと思われてしまう、とは私の想像です。
そうすると、アレクサンダー・テクニークの考え方では頭は前へ上へいくことで、首は楽に・背中は長く広くなり(自分の使い方が間違っているとこうはならないので難しいところです)、プライマリーコントロールが働いて身体全体の機能が良くなるのです。
<本文中に関連するリンク>
頭と首と背中の関係が身体全体の機能を左右する(primary-control/プライマリーコントロール)に関する記事
頭が前へ上へ(direction/ダイレクション)に関する記事
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