主人公チャーリィは大勢の人ができること、わかること、が同じようにできない人です。チャーリィは頭の良くなる手術を受けることにします。手術の結果、周りの世界が今までと違って見えるようになります。周りの世界が違って見えるためにそれに対するチャーリィの反応が変わっていきます。そうして、チャーリィの反応が変わったことを受けて周りの人の反応も変わっていきます。
チャーリィは手術を受けたために、変化が早くあらわれます。アレクサンダー・テクニークは手術でも薬でもないのでここまで早くないですが、変化していく過程はおそらく同じだと思われます。
そうして、『アルジャーノンに花束を』は物語なので、とてもわかりやすく書いてあります。実際にはもっと複雑で、周りの人には周りの人の人生があり、チャーリィとは関係ないところで変化している可能性もあります。さらに、一番最初に周りが今までと違って見えるのは明らかにチャーリィの内面が変わったからですが、チャーリィ自身から見える周りの人の変化は主観であり、本来は「自分の内面が変わったからそう見えるだけで、周りの人が変わったわけではない」、というのを理解するのは難しいと思わわれます。
自分の内面が変わったから周りの人が変わったように見えるのか、周りの人が変わって見えるから自分の反応がいつもと違ってきてそれを受けた周りの人の反応が実際に変わったのか、ここの違いを切り分けるのは本人には難しいです。
どうしても気になる人は心理士さんなど信頼できる人に相談してください。周りの人に直接聞いてみても解決するかもしれません。
<本文中に関連するリンク>
アルジャーノンに花束を〔新版〕: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト
感覚的評価の不確かさに対する認識に関する記事