人の話をそのまま聞くのはとても難しいです。どうしても自分の思考を通して聞くことになるからです。自分の思考を通る段階で、既に知っているわかっている物事に置き換えてしまったり、近づけて解釈したりします。なので、今までとは違った異なるアプローチを受け入れるのが難しくなるのはそれが原因だったりします。
以前に朗読劇のワークショップに参加したときのことです。講師の先生が最初にいった言葉は、「ワークショップではゼロから始めること。今までの人生は置いておきましょう。」何か新しいことを始める場合は常にこれが前提になります。そのためには、その講師の先生のことが信頼できるということも必要です。何か新しいことを始めるときには、まず、信頼できる先生を探すことです。
アレクサンダー・テクニークに飛び込もうかどうしようか迷っている人もいると思います。先生が信頼できるかどうか以前にアレクサンダー・テクニークそのものが信頼できるものかどうか気になる人もいると思います。結局は先生次第だとは思うのですが、アレクサンダー・テクニークは刺激を受けた後、その後の反応を選ぶために一旦立ち止まって考えることに責任を持つ取り組みです。レッスンを受けてみて、その後続けるかどうかは、一旦立ち止まって考えて決断すればいいことです。決断するのに時間はたくさんとって構いません。やめることも選択肢の一つです。もちろん、一回レッスンを受けただけではわからないこともあります。レッスン生が判断できるための情報は極力お伝えします。ワークショップがその情報源となることもあります。
アレクサンダー・テクニークは、今の日本では今までにない考え方に属します。もし、アレクサンダー・テクニークをやってみようと思ったときは、今までの人生は一旦置いておくことをおすすめします。
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