人間は解剖学的構造が他の霊長類とほとんど差がないが、そうした下等動物にはほとんどまたはまったく見られない、病気や身体的変性への弱さがある。その理由は、人間が自分の行動を一部は動物的本能によって、一部は意識によってコントロールする状態に、精神的に進化したからである。
F.M.アレクサンダーによる著書4作の要約 アレクサンダーテクニークP14
人間の身体全体は、動物的本能(無意識のもの)と意識の2つによってコントロールされているということです。しかし、この2つがいつも同じ指示を出すとは限りません。ときには片方が反発し綱引きのように戦いはじめます。
これを解決する方法は、3つあって、動物的本能(無意識のもの)の指示に従う・動物的本能(無意識のもの)と意識の両方の指示に従う・意識の指示に従う、です。
最初の動物的本能(無意識のもの)の指示に従うということは、頭(意識)で「こうする方がいい」とわかっていることがあっても、動物的本能が違う指示を出していたらそっちに従うということです。これは、今の人間社会では考えられないことです。
二つ目の動物的本能(無意識のもの)と意識の両方の指示に従うということは、今現在私達がかかえている状況です。その両方の指示が反対のことを身体全体に求めるときに綱引きとなって不必要な葛藤を自分の中にもつことになります。
最後の意識の指示に従う、これが、アレクサンダー・テクニークでやろうとしていることです。動物的本能の指示は、「そうしなくてもできる方法が別にあるんじゃないかな」と身体にわかってもらうことができる、というのがF.M.アレクサンダーの考えで、習慣によるお決まりのパターンをやめてみよう、と自分に働きかけることになります。
本能のみのガイダンスにもどることは考えられない。人間の身体的進化は、理にかなう意識的ガイダンスとコントロールの道を歩むことだけを目指しており、そのガイダンスとコントロールを応用することで、人間の病気を根絶したり予防したり、体を高い完成度に保つことができる。
F.M.アレクサンダーによる著書4作の要約 アレクサンダーテクニークP15
<本文中に関連するリンク>
本文中の引用は、「F.M.アレクサンダーによる著書4作の要約 アレクサンダーテクニーク」ロン・ブラウン著/八木道代日本語版監修/大田直子 ガイアブックス の14-15ページです。

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