アレクサンダー・テクニークでは刺激と反応が対になったものを、人間としての一つの行動として扱います。複数の刺激が同時にくることもあるし、一つの刺激に対して複数の反応が起こることもあります。ここではわかりやすくするために一つの刺激に対して一つの反応が起こることについて考えてみます。
一つの刺激が外からきたとき、それを目・耳・皮膚その他の感覚器官で受け取ります。受け取った刺激の情報が脳に伝わって思考・感情(精神的反応)が起こります。それにもとづき神経を通って身体に司令が行き渡ります。その結果何かしらの身体的反応が起こります。こうして、どのような身体的反応も多かれ少なかれ思考・感情(精神的反応)の影響を受け、どのような思考・感情(精神的反応)も何かしらの身体的反応を伴います。このため、アレクサンダー・テクニークでは心と身体を分けることはできないと考えます。(刺激に対して脳を通らないで脊髄を通って反射的に起こるようになった反応もあります。アレクサンダー・テクニークではこれを無意識で自動的に身体が反応する習慣・癖として扱います。《もともと身体に備わっていて起こるものは本能です》)
ある行動を変えたいとき、心と身体のどこからアプローチするのか、その人が取り組みやすいものを選んでいきます。
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