何かの動きをするときに準備をするということは、身体に次の動きに移ることを理解させ納得させ、身体全体を拮抗させたまま動くためのものだとします。すると、刺激が来た瞬間に反応していては準備ができません。反応の前に時間が必要です。
できないうちは、どういう準備が必要か考える時間も最初は必要です。そのためには一つ一つ止まって確認することもあります。そうしてわかってくると、動きの連なりの中で、次の動きのための準備は前の動きの中にあることになります。
準備するとはどういうことかをアレクサンダー・テクニークの視点で具体的に考えてみます。
準備をするというと、「する」という言葉から何かをやることだと思い込んでいる私達ですが、準備のために一旦立ち止まり(inhibition)、余計な何かをやらないこと(non-doing)も準備の一つです。そうして、身体全体が長く広くなって次の動きに入りやすい自分になります(direction)。
そうして、動きの連なりの中では、立ち止まることはないかもしれませんが、常にこれらをやり続けることになります。