心と身体が別のものだと思ってしまうのもしかたがないかもしれません。お腹がすいても食べなかったり、お腹いっぱいなのに食べたり。ニコニコしながら怒ったり、悲しいのに泣かないようにしたり。言いたいことがあっても言えなかったり、言いたくもないことを言ってしまったり。
でも、生まれたばかりのときはそうではありませんでした。お腹がすけば食べ、お腹がいっぱいになればごちそうさま。楽しい時は笑って、納得いかないと怒り、悲しい時は泣き、言いたいことを言っていたはずです。
いつ変わってしまったのか。人間社会で生きていく中で変わっていったのです。自分の使い方が良いまま、自分の中で起こっていることと表に出す表現を意識的に変えていれば問題ありません。それが習慣になってしまって無意識に発動するようになると、自分の中で起こっていることと表にでてしまう反応が一致しなくなり、自分の使い方を邪魔するようになり、間違った自分の使い方に置き換わっていきます。
歌や演技をするときには心と身体が一致していないと表現することができません。笑ってるのに笑顔にならない。大きく動きたいのに身体が動かない。声を大きくして言いたいのに声が出ない。優しく言っているのに優しく聞こえない。心と身体がバラバラに見える瞬間です。
舞台では心と身体が一致していたい。そのためには受け取る刺激から表現する反応までの道筋の通りを良くする必要があります。アレクサンダー・テクニークではブロックしているものを一つづつ見つけて外していきます。
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