背骨を1個づつ積み上げるように、という表現はよく耳にします。丸めたりしゃがんだりした身体を少しずつゆっくりと起こして立ち上がっていく時です。
そんな、つながっているんだから、1個づつは無理だと言われればそのとおりです。それをつなげているのは筋肉とその周辺の組織です。ですが、積み木を積み上げるように、背骨を一つずつ上に乗せたところで筋肉とその周辺の組織は何をしているのでしょうか。積み木を接着剤や釘で固定するように筋肉とその周辺の組織で固定している人は少なからずいると思います。関節をロックしている状態です。背骨周辺の関節であれば肋骨も可動域が狭くなっているかもしれません。
人間は動物なので、ロボットのようにネジで固定することはなく、背骨の一個一個が揺れるとバランスを取り直すように筋肉とその周辺の組織が働きます。どんなに「静止」している状態でも、このわずかな揺れは存在します。つまり、筋肉とその周辺の組織で背骨を固定することなく、下の背骨の上にもう一つの背骨が乗っかっているのです。積み木のように。それぞれの背骨一個一個は独立して存在していて、お互いに影響し合うけれども邪魔しないのです。だから一つづつなのです。学校の先生は段ボール箱を積み上げるという表現でした。段ボール箱の方が常にバランスを取り続けるイメージはつかみやすいように思います。
それで筋肉とその周辺の組織は常にいつでも動けるようになっている必要があるのです。
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