ダンスの練習していて、曲のテンポが速くて動きがついていけてないぞ、と思った時に何を考えるべきなのかということです。
「動きを速く」と考える人は、動きがついていけてない人です。ついていける人はそんなこと考えません。「速く」と考えて身体が動くべき動きができる人も、それ以上「速く」を考え続けません。問題なのは、どうしても速く動けない人が「速く」を考え続けながら動くことです。速く動けない人ですから、どうすると速く動けるのか、または、どうして速く動けないのか、速く動くのを妨げているのは何か、がわかっていない人です。この人の頭の中が「速く」でいっぱいになってしまうと、end-gaining(結果至上主義)となってしまい、その結果「速く」動くことはできません。
速く動くのを妨げているものはいくつか考えられます。動きを覚えていないために、右(左・前・後ろ)に行こうとしていない身体を右(左・前・後ろ)に急に動かすために関節がロックされてしまう。動きを覚えていないために、身体が動く準備ができていないところを急に動かすために関節がロックされてしまう。そもそも最初から関節はロックされていない(non-doing[《不必要なことは》何もしない])必要があります。そうしていつでも動き出せる準備のできている関節のままでいることです。その上で次の動きの準備ができるくらいに覚えたほうが良さそうです。それから、動きの途中に使われる筋肉が働き慣れていないために動けないという場合もあります。人にもよるのかもしれませんが、この働き慣れていない筋肉を働かせるのは、私の経験上そんなに時間はかかりません。1日・2日くらいで働き始めて1週間くらいで動けるようになります。時間がかかるのは、どこを動かしたらいいのかわからないときです。
一つの問題としてパフォーマンスとしてのダンスの場合「速く動けないけど速く動かなくては」を考え続けるとそれが観る人に伝わってしまうことです。考えることは別にあります。
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