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頭と首と背中の関係が安静時呼吸の肋骨の可動域に影響する

アレクサンダーテクニークとは

安静時呼吸は普通に何もしていないときの呼吸です。呼吸を勝手に止められても困るし、酸素が足りないときはせっせと酸素を取り込まないといけないので、基本は無意識に自動的に行われます。けれども、安静時呼吸の特殊なところはその機能に肋骨と横隔膜という筋骨格系が作用していることです。なので、自分でコントロールできる気がしてしまうのですが、生命に関わることなので身体におまかせしていいのです。

事故・怪我・病気などで呼吸に問題があるときはお医者さんに診てもらうとして、ここでは事故・怪我・病気ではないときの話をします。呼吸がうまくできないときは、呼吸を妨げているものを除いていくというのが、アレクサンダー・テクニークの考え方です。

安静時呼吸のしくみ

まず安静時呼吸というのは、無意識に自動的に行われます。その中で、横隔膜と外肋間筋の働きによって肋骨が動くことで肺に空気が入り、その横隔膜と外肋間筋がゆるむことで自然に肺から空気が出ていきます。この繰り返しです。

肋骨と背骨の関節の可動域

肋骨と背骨の関節
肋骨が楽に動いて可動域が広いほど空気の出入りが楽にできます。肋骨の後ろは背骨とつながっていて、関節で動いています。身体全体のネットワークの中の一つであることが前提であり、特定の場所を意識していては本来の働きが発揮できないのですが、今回説明のために注目するところは肋骨と背骨の関節です。この関節の周りには一番深いところに直立するための筋肉があって、直立するのを支えています。その上に何層も筋肉が重なって、背骨・肋骨・肩甲骨をサポートしてくれています。サポートしてくれているはずなのですが、不要な緊張で筋肉とその周辺の組織や関節を固めてしまうと動きが悪くなります。肋骨と背骨の関節は何層にも重なった筋肉の中に埋もれているからです。そして肋骨の可動域が狭くなるのです。

アレクサンダー・テクニークでは最初に首が楽になるように考えますが、続けて頭は前へ上へ、背中は長く広く、と続きます。この一連の流れで重力に対して楽に直立することを身体が思い出すわけですが、このときに肋骨と背骨の関節を構成する筋肉とその周辺の組織は緊張を解いて長く広くなり、肋骨の可動域が広くなります。長くしようとしてはいけません。長くしすぎると今度は狭くなり逆効果です。短くならなければいいのです。

プライマリコントロール

頭と首と背中を縮めて固めると、身体全体の機能が悪くなり、動きが鈍くなることがわかっています。呼吸の機能も悪くなります。このとき固めていた頭と首と背中を緩めると、身体全体の機能が良くなり、動きも良くなります。呼吸の機能も良くなります。アレクサンダー・テクニークの言葉でプライマリーコントロールといわれている、頭と首と背中の関係が身体全体の機能を左右する、という一つの例です。


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masako

masako

アレクサンダー教師始めました。 東急東横線学芸大学の近くでレッスンします。

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