「しゃべるように」歌うということは、「しゃべるように」何かをするのではなく、「しゃべるように」何もしないということだと聞いたのは、フースラーの先生からでした。アレクサンダー・テクニークを勉強していてもその発想はまだなかったので、目からウロコでした。これが当てはまるのは、しゃべるときに不必要なことを何もしていない(non-doing)人です。しゃべるときにいろいろなことをしてしまっている人はそれもやめる(インヒビション)必要があります。non-doing(《不必要なことは》何もしない)でいられる自分をみつけないといけません。
歌うときに、「しゃべるように」声を出すという指示は、人によって、時と場合によって、その意味は変わってくるかもしれません。けれども、歌うときに余計な努力(不要な緊張)をして自然に声が出るのを妨げていることが多いのは確かです。何か必要なことがあったとしても、不要な緊張を取り除くことでまず自然に声が出るのを妨げているものをなくす(インヒビション)ことが先です。
フースラーもアレクサンダー・テクニークと根底に流れる考えは同じです。
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