トレーニーのときのクラスメートに介護の仕事をしている人がいました。その人が教えてくれたのですが、介護をするときは相手の少し先をいくように指導されるそうです。けれども、アレクサンダー・テクニークでは手を置く相手の先をいかない、そこが介護と違うということでした。
アレクサンダー教師が手を置く相手の心身状態は、介護する相手と似たような人もいるかもしれませんが、手を置く目的が違います。介護は日々の生活のサポートとしてとらえると、自力でできない動きを助けるために代わりをしたり先を行ったり、倒れないように後ろに回ったりするのでしょうか。アレクサンダー教師がすることは日々の生活のサポートではなく、本人が主体的に出来るように教え続けるレッスンです。日常生活にアレクサンダー教師はあらわれません。レッスン生の代わりをしたり先をいくことはありません。サポートではないので後ろから支えるのも本来の目的ではありません(実際は危ないときに手を出すことはありますが、倒れるのを受け止めるというよりは、倒れそうになるのを防ぐ感じ)。主体的に動作をするのはレッスン生なので、レッスン生にそのつもりがないとできません。医師から止められていることもできないし、医療行為もできません。
一見似たようなことをしているようにも見えますが、全く違うものです。
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