のどの見えないところに声帯という小さな仕組みがあって、そこが閉じて震えると音が生じて声になります。閉じる動作と震える動作を分けて考えます。今回は閉じる動作です。
音を出すために声帯を閉じるには、首の後ろのほうにある筋肉を使って閉じます。ところが、この後ろにある筋肉が働かない人は、声帯を取り囲む首の筋肉がお手伝いにきて強制的に声帯を閉じて声を出しています(だそうです。まだ勉強中ですみません。)。これは不必要な緊張にあたります。
習慣になっているとその不必要な緊張に気が付きません(感覚的評価の不確かさ)(そう、まだわからない)。むしろ、声を出すためにはそこを使わないといけないと、身体が思い込んでいます(習慣の強い力)(だからやっちゃう)。アレクサンダー・テクニーク的にはまず、お手伝いにきて強制的に声帯を閉じている首周りの筋肉にやめてもらう必要があります。
多分、声を出していないときにはその筋肉は働いていません。声を出そうと思った瞬間にやり始める(doing)からです。なので、まずそこからスタートです。何もしていない状態(non-doing)から、声帯の端を少しずつカリカリと合わせていきます。合わせるときには後ろにある声帯を閉める筋肉を考えます(direction)。いきなり声を出そうとすると(end-gaining)首周りの筋肉がガチっと発動してしまうので、少しずつ声に近づけていきます(昔ロンドン帰りの先生に言われてた、すぐに声を出さないってのはもしかしたらこのことかな。)(means-whereby)。首周りの筋肉が発動してしまったら一旦やめて(inhibition)手順を戻してやり直します。首周りの筋肉に余計な仕事をさせないようにしながら、首の後ろにある声帯を閉じる筋肉がいい感じに働くように(やりすぎても良くないので)していきます。
もちろんこの最初から最後まで、良い自分の使い方ができるように考えながら進めます。