生き物には、自分が持っているエネルギーを振動に変換する力があるらしいです。
専門ではないのでどこかで聞きかじった話になりますが、昆虫の羽ばたきは一秒間に200回(ハチ・ハエ)から600回(蚊)、もっと早いので1000回とか。
人間の声帯が震えるのに低音は1秒間に130回で、高い音は600回、ハイソプラノは1200回だそう。
昆虫はあっちへこれだけ飛ぶ、そっちへ速く飛ぶ、あそこに止まる。と考えるだけで(考えてもいないのかもしれないけど)自分のもっているエネルギーを振動に変えて速く飛んだり高く飛んだり止まったりします。
人間もあんな声こんな声、そんな音、と考えるだけで本当はそういうふうに振動する声帯を持っているのだと思います。そもそもその身体が持っていない音や声は出ないのだから、やってでないものはでない。やってでるものはでる。それだけなのです。だけど人間は、その声帯を振動させるのに必要最低限の力がどれほどかわからなくなっていて、強すぎたり弱すぎたりする。声帯を振動させるのに必要のないところを緊張させてしまう。
昆虫は、より高いところへ飛んだり風みたいな何かに逆らって飛ぶときに、必要以上のパワーを使ったりどこかを硬直させながら羽を振動させることはしないように思います。人間は声帯を振動させるのにちょうどいいところを忘れてしまっているのです。
<本文中に関連するリンク>
声は空気の振動に関する記事