よほど上手に身体を使っていない限り、筋肉はちょうどよく働いているもの、働いていないもの、働きすぎているものがあります。働きすぎているものは働いていない筋肉の代わりに頑張っている筋肉です。現在の筋トレやエクササイズはこの働いていない筋肉に働いてもらおうと働きかけるものです。しかし、アレクサンダー・テクニークでは、この働きかけだけでは働きすぎの筋肉をやめさせることはできないという考えです。働きすぎているものを「そこまでしなくてもいい」ということを身体がわかってくれる必要があります。「不要な緊張」を取り除くとはこのことで、これは脱力ではありません。ちょうどよく働いてもらうのです。これを身体に教えてあげるのがアレクサンダー教師の仕事です。すると、代わりに頑張ってくれていた筋肉がいなくなるので、本来働くべき筋肉は働かざるをえません。しかし、また新たに別の筋肉が頑張り始めると意味がありません。ここまでにいくらか時間を必要とします。トレーニングを始めるはその次の段階です。
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