私はバレエをやったことがないので聞いた話になります。バレエのレッスンで「膝を伸ばして」と言われたそうです。そうして、「どこまで伸ばせばいいのか」という質問でした。
その人の膝を確認すると、膝を曲げた状態で関節をロックしていました。膝の可動域はもっと広いので、ロックをはずせばもっと伸ばすことのできる膝でした。膝がロックされていたためにそれ以上伸びないひざでもありました。自分では伸ばしているつもりなのにそれ以上できないから、どこまでやればいいのかわからないと感じていたのだと思います。
アレクサンダー教師としての私の提案は、まず膝のロックを外すところからです。そうして、伸びることもできるし、曲げることもできる、自由な膝でありながら、その中で伸ばしている状態を選ぶということです。これが正しいのねとばかりに膝を伸ばした状態でロックさせるとまた別の問題が起こるので、膝は自由なままでいてほしいものです。一人でこれに気づくのは難しく、アレクサンダー教師はこれを手伝うのが仕事です。
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