新しい自分の使い方が見つかって心と身体が良くなり始めた時、どうすればいいのかわからなかったのは、それを日常生活に活かすことでした。特に、集団の中に入っていく時の自分の新しい使い方がわかってからも、同じ集団に入ると刺激に対する昔ながらの反応に戻ってしまうのです。アレクサンダー・テクニークのレッスンではその先もあって、その刺激に触れても反応を起こさないところまでもっていきます。けれども、まずは新しい自分の使い方を定着させるのに新しい環境があってもいいと思います。
F.M.アレクサンダーは俳優をあきらめなかったから、[声を出す]という刺激に対して起こる無意識で自動的な身体の反応を、起こさないところまで追求できたのだと思います。私達は、もし可能であれば、一時的に刺激を避けてみてもいいと思います。これは物理的に刺激と距離をとることになります。新しい自分の使い方が定着した後で物理的にその刺激に触れてみて、心理的に距離がとれるようになっていれば反応を起こさないでいられるかもしれません。物理的に刺激に触れてみたときに、心理的にも近づき過ぎてしまうと以前の反応が蘇ってきてしまう可能性があります。
アレクサンダー・テクニークでは、最終的にその刺激に触れても反応を起こさないところまで持っていきますが、努力と時間が必要です。アレクサンダー教師ですからそこまでやりたい方にはとことん付き合います。
<本文中に関連するリンク>
刺激と反応に関する記事