ダンスの先生の言葉によると、手の動きは足の動きと別々に動かせるようになっているべきで、その足のステップは、手がどんな動きをしていてもできるようになっていないといけないし、その手の動きは、足がどんなステップを踏んでいてもできるようになっていないといけない、とのことです。
難しくてなかなかできないと思うのは私もそうなのでよくわかります。しかし、実はわたしたちは日常生活の中でやっています。足は歩きながらも、手はドアを開けたり締めたり、物を取ったり、スマホに反応したり、鍋を運んだり、赤ちゃんを抱っこしたりできます。手はスマホの操作をしながら(外では危ないですが)立ったり座ったり、置いてあるものをまたいだり、足で何かを引き寄せることだってできます。
そのとき、手と足はお互いに影響し合うけれども邪魔をしないで、おそらく身体全体は足の動きをサポートし、手の動きをサポートしています。それは余計なことをしない(ノンドゥーイング/non-doing)の範囲内で見えないところ(インナーマッスルだろうと思う)が働いています。余計なことをしないでいられれば、身体全体に余裕が生まれます。そうして、手と足の動きでいっぱいになってしまわないことです。ダンスの手と足の動きは、そういった日常生活の自分の良い使い方の延長線上にあります。
さらに、私達は手と足を動かしながら、会話をすることができます。人の話を聞いたり、声を出したり、何か考え事をしたり、何かを見たり、判断したりできます。日常的にやっていることです。
ということは、歌いながら踊るというのも同じことです。普段やらない動きで普段やらない声を出すので、なかなかできませんが、これも日常生活の自分の良い使い方の延長線上にあります。理想は歌うことと踊ることはお互いに影響しあうけれども邪魔をしないで、身体全体は余計なことをしない範囲で歌う機能をサポートし、踊る身体をサポートすることです。その歌は身体がどんな動きをしていても歌うことができて、その踊りは、どのようなフレーズを口にしていても踊れるということです。そうして、踊りと歌でいっぱいになってしまわないことです。(こうは書いていますが、私もまだできません)
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